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除草剤など農薬を使わないソバ栽培【酒田市】

  秋ソバ11ヘクタールと水稲5ヘクタールを栽培する酒田市北青沢の荒生隆さん(49)は、庄内地方でも有数の大規模専業農家だ。6年前から秋ソバの作付けを拡大し、除草剤などの農薬を一切使用しない完全無農薬で栽培し、市場から高い評価を得ている。 

 荒生さんは、父親から就農を勧められた当初、当時の経営規模を踏まえ、兼業農家の道を選んだ。さまざまな仕事に携わった荒生さんは「目標を持ち、達成に向けて努力することの大切さを仕事を通じて学んだ」とサラリーマン時代を振り返る。

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「刈り取り適期を見逃さないことが良質なソバ栽培のポイント」と話す荒生さん

規模拡大へ挑戦

 規模拡大の転機は、兼業農家として25年ほど経過した2005年に訪れた。地元の生産組織が高齢化と後継者不足などで解散し、その耕地の内、約11?を購入したことがきっかけだ。荒生さんは「専業への挑戦。土地を荒廃させてはいけないという使命感もあった」と話す。

 水稲と作業が重ならない秋ソバを作付け、1年目は7.2ヘクタールで栽培した。トラクターで耕起し、背負型動力散布機で播種した。「日長反応で、ソバは暗くならないと発芽しない特性があり覆土が不可欠。作業がはかどらず夜遅くまで時間を要した」と苦労を話す。翌年からは作業を見直し、播種機とアッパーロータリーを導入。作業効率を上げ、多い年で12ヘクタールまで栽培面積を増やした。

排水対策に万全に

 「ソバは畑の作物。水田で栽培するには排水対策が必要」と荒生さん。水田から水はけが良い畑にするために、サブソイラーで1.2メートルおきに暗渠(あんきょ)を掘り、併せて明渠(めいきょ)排水も施した。

 苦土(くど)石灰や有機物を用いて土壌を改良。ソバと同時にアカクローバーを栽培、翌年に刈り取り、粉砕してすき込みし、地力の増進を図っている。その努力が実を結び、06年には農林水産省生産局長賞を受賞した。

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コンバインでソバを収穫する荒生さん。採算ベースは10アール当たり80キロという        ソバ収穫後、地力を増進させるため、アカクローバーを翌春にすき込む

 無農薬で栽培する荒生さんのソバは、自ら会長を務める「やわたそば研究会」の会員らと共に、契約する埼玉県や長野県の業者で製粉している。「八幡のソバは黒化率60%位で若刈りするため、風味が良いと評判です」と胸を張る。

 荒生さんは「戸別所得補償制度に伴い、販売価格が下落する懸念があるが、食料の重要性は増していく。採算ベースの10アール当たり80キロ超えを目標に20ヘクタールまで規模拡大したい」と将来を見据える。 

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