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さくらんぼサポーター制度【村山市】

 村山市大槇の永澤農園ではサクランボ最盛期を迎え、「さくらんぼサポーター」制度で協力に訪れる消費者と信頼を深めながら、初夏の農作業に励んでいる。永澤克恵さん(35)は「消費者の方に農作業に参加してもらうことは、お互いの信頼をより深めることになる。顔が見える関係は農業にとって大切」とサポーター制度を歓迎する。 
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前列はサポーターの菊池さん(右)と阿部さん。

後列(右)から平蔵さん(父)、志津子さん(母)、克恵さん、妻の久美子さん

市の援農事業を活用

 「さくらんぼサポーター」制度は、村山市が2007年から始めたもの。サクランボの最盛期に収穫作業などで、労働力を必要としている農家と農業や自然に関心のある人とをつなぐ取り組みとして定着してきた。作業報酬はないが、農作業の謝礼としてサポーターの宿泊費を農家が負担する仕組みだ。今シーズンは、同市内の11軒の農家に2泊3日、または4泊5日の日程で仙台市や関東地方などからサポーター54人が参加した。

 永澤農園は、克恵さん夫妻と両親で営む専業農家で、サクランボ約1?とリンゴ約2?を栽培する。克恵さんは、県外でのサラリーマン勤めの後、母親が体調を崩したことを機に6年前に就農した。それまであった水田をすべて果樹園にして、サクランボとリンゴ栽培に力を入れている。

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大きさと果皮色、割れなどをチェックし選別する。多くは2L以上の大玉だ

交流深め、より強いきずなへ

 収穫期が短期間に集中するサクランボは、最盛期の労働力不足に悩まされる農家も多い。同農園では、6月中旬から7月初旬まで、延べ13人のサポーターを受け入れた。

 仙台市から参加した阿部厚子さん(56)と菊池節子さん(46)は毎年、同農園でのサポーターに参加する。阿部さんは「農家とは縁がなかったが、食べ物とアレルギーの関係や無農薬農産物に関心がありました」と話し、「サクランボ収穫での高所作業など栽培管理の大変さを知ると、農作物の有り難さがわかりました」と農業を実感している。

 菊池さんは、農業の現場を体験できる機会だと思い参加したという。「永澤さん家族は、作業の指導も的確で自分が協力しているという達成感を得られました」と生産者を身近に感じている。「仙台では出回らない本物のサクランボがわかる良い機会です」と菊池さん。

 サポーターに果実の着色や大きさを覚えてもらうため、選別作業を重点的に指導している。克恵さんは「収穫も大きさや色を見分けながら行うので、選別でしっかりその目を養ってくれれば」と話す。 

手間かけずに良品質を追及

 同農園では、省力化栽培に努めている。園地には反射シートを敷かず、葉摘みや摘蕾(てきらい)、剪定(せんてい)もわずかにとどめる。克恵さんの父、平蔵さん(62)は「手間をかけなくても良い品質のものが生産でき、その分リーズナブルな価格で提供できる」と説明する。

 永澤さんらは、生産者と消費者が交流するイベント「マルシェジャポン」に出店している。対面販売を通してダイレクトな消費者の反応を大切にしている。「出店は新しいお客さんと出会えるチャンス」と意気込む克恵さん。
 サポーター制度を通じたわずか数日間の交流でも、農家と消費者の距離は縮まる。消費者は農業の手間暇やその年の作柄を知り、生産者は労働力を確保でき、産地としてのPRや消費者と更なるネットワークを築ける良い機会となっている。
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「顔が見える関係は農業にとって大切」と永澤さん

信頼関係は宝

 6月に入ってからは日照が少なく、着色にも時間を要した。夜温も高く糖度が上がりにくい状況だった。春先の天候不順で収穫期が10日ほど遅れ、サポーターの募集時期と最盛期にずれが生じ、7月上旬に参加協力が得られない時期もあったという。克恵さんは「今年のように天候不順で出荷が遅れるような時でも信頼関係があれば、お客さんに理解してもらえるのでは」と話し、「農作業を手伝ってもらうだけでなく、農家と消費者の新たなつながりが財産になる」と農業の将来を見据える。
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