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V溝直播栽培で省力化【天童市】
天童市農業委員会では、3年前から水稲のV溝直播(ちょくは)栽培に挑戦し、育苗作業などの省力化に取り組んでいる。作業時間を省くことと苗箱運搬などの重労働を軽減でき、オウトウなどの果樹栽培の管理に労力を傾注することができる。
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| 作業機で深さ5センチの溝を切り、種子と肥料をまく。後ろにつないだ重りで土をならし、かぶせる |
空いた時間を果樹管理に傾注
天童市を含む村山地方は、オウトウや西洋ナシ、リンゴなど果樹栽培が盛んな地域。稲作に関連する作業を省力化することで、果樹のさらなる高品質栽培を図る狙いだ。
V溝直播は、4月に耕起しローラーで鎮圧した後、専用の作業機で深さ5センチの溝を切り、種子と肥料を同時に播くという栽培方法だ。作業機の後ろには重りがつながれており、それを引っ張ることで土をかぶせ、ならしていく。30アールの面積なら準備も含め、30分ほどで完了する。播種量は10アール当たり8キロほどだ。
種子は、消毒のためベンレート処理をするだけで、塩水選はしないなど、準備作業も簡単だ。
播種後は、水をかけずに30日から40日ほど置き、二葉期まで育て、地面から2?ほど出芽したら入水する。その後は慣行栽培と同様に管理を行う。雑草対策として、時期や天候を見極め、除草剤を散布する。同市農業委員会の結城助一会長(74)は「米価が低迷するなど後継者が育たない。V溝直播栽培を取り入れ、少しでも省力化に努め、経営環境を良くしたい」と話す。
苗箱運びなどの重労働を軽減
直播を取り入れ、同市で稲作と果樹を営む堀越重助さん(59)は「1年目は発芽するかが心配だった。2年間栽培し、これならいけると感じた」と話す。水稲16ヘクタールを作付けし、そのうち4ヘクタールを直播で栽培している。「年齢を重ねるにつれ、苗箱を運ぶのも重労働になった。V溝直播は助かる」と話し、今後も作付面積を増やす予定という。
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| 作業機に種子を補充する堀越さん(左)。播種時には種子と肥料を同時に播く。中央が結城会長 |
同栽培法は、水はけが良い圃場であることが導入条件。慣行栽培に比べ、生育は1週間から10日ほど遅れ、収穫量も下がるが、労力とコストの低減が図れることが大きな長所という。
結城会長は「田植え時期と果樹の春作業が重なるので、果樹地帯では、この方式を導入するメリットがある」と自信をみせる。3年目の今シーズンは同市内で20ヘクタールを作付する。2台目の作業機も導入し、今後3台まで増やす予定だ。


